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うろこ雲と秋の高い空を撮る|青空を鮮やかに残すPLフィルター活用術【広角レンズ】

こんにちは!MARBLEです!9月も後半に入り、空を見上げる回数が増えてきました。夏のあいだ重たく白っぽかった空が、急に「高く」「青く」感じられるようになる時期です。そこにうろこ雲(巻積雲)がふわっと広がった日は、カメラを持っている人にとって完全にごちそうタイム。ところが実際に撮ってみると「肉眼で見たときの青さが出ない」「雲が白飛びしてしまう」とがっかりした経験、ありませんか?今回は秋の空を肉眼の感動そのままに残すための露出の考え方と、PLフィルターの使い方を初心者さん向けにじっくり解説します。

A lone tree stands in a field under dramatic clouds
Photo by Wolfgang Hasselmann on Unsplash

秋の空が「高く青い」のはなぜ?うろこ雲が出る季節の理由

まずは相手を知るところから。秋の空が高く見えるのには、ちゃんと理由があります。夏の雲は「積乱雲」に代表されるように、地面近くの湿った空気がもくもくと立ち上がってできるため、雲の底が低い位置にあります。対してうろこ雲(巻積雲)やひつじ雲(高積雲)は上空5,000m〜13,000mという、はるか高いところにできる雲。この「雲の位置が高い」ことが、空全体を高く感じさせているわけです。

もうひとつ大きいのが空気の透明度です。秋は大陸からの乾いた空気に入れ替わり、空気中の水蒸気やチリが減ります。すると太陽光が散乱されにくくなり、青い光がそのまま届くため、空の青が濃く見えるのです。つまり秋の空は「もともと素材が良い」状態。あとはカメラの設定がその素材を殺さないようにしてあげるだけ、ということになります。

ちなみにうろこ雲が出るのは、上空に湿った空気が流れ込んだサイン。天気が下り坂に向かうことが多い雲なので、「きれいだな」と思ったその日が撮影のラストチャンスというケースも珍しくありません。見つけたらとにかくその場で撮る、これが秋空撮影の第一のコツです。

青空を鮮やかに残す基本設定|露出はマイナス補正から入る

空の青が出ない一番の原因は、ほとんどの場合「明るく写りすぎている」ことです。カメラは画面全体がほどよい明るさになるよう自動で露出(写真の明るさ)を決めますが、空のように明るいものが画面の大半を占めると、地上の暗い部分に引っ張られて全体を明るく持ち上げてしまうことがよくあります。その結果、青がうすく白っぽくなり、雲のディテールも飛んでしまいます。

対策はシンプルで、露出補正をマイナス方向に振ること。露出補正とは、カメラが決めた明るさを撮影者が手動でずらす機能で、「+/−」のボタンやダイヤルで操作します。秋空なら −0.3〜−1.0 あたりから試してみてください。ほんの少し暗くするだけで青が締まり、雲の白との差がはっきりします。

そのうえで、以下の設定を意識すると安定します。

  • ISO感度は最低値(100や200)に固定。ISO感度とは光への敏感さの設定で、上げるほど暗所に強くなる代わりにザラつき(ノイズ)が増えます。日中の青空なら上げる理由がありません。
  • 絞りはF8前後。絞りはレンズの光の通り道の広さで、F値が大きいほど画面の隅までシャープになります。F8〜F11はほとんどのレンズが一番良く写る領域です。
  • ホワイトバランスは「晴天」固定。オートのままだと青を「色かぶり」とみなして補正し、せっかくの青を薄めてしまうことがあります。
  • 記録形式はRAWがおすすめ。RAWはカメラが受け取った情報をそのまま保存する形式で、あとから明るさや色を調整しても画質が落ちにくいのが利点です。
cloudy sky at daytime
Photo by Billy Huynh on Unsplash

PLフィルターの使い方|「回して効果を確かめる」が全て

ここからが本題のPLフィルターです。PLフィルター(偏光フィルター)は、レンズの先に取り付けるガラスのアクセサリーで、特定の方向に振動する光=反射光だけをカットしてくれる道具です。空の青が白っぽく見えるのは、大気中の細かい粒子で散乱した光が「もや」のように乗っているから。PLフィルターはこの散乱光を減らし、本来の青を引き出してくれます。

使い方は難しくありません。レンズ前面のフィルターネジに取り付けたら、フィルターの前枠をゆっくり回すだけ。ファインダーや背面モニターを見ながら回していくと、空の青が濃くなる位置と、変化しない位置があるのが分かります。一番青が濃く、雲の白が立って見えるところで止めれば完成です。

効果を最大限に引き出すためのポイントは「太陽の位置」。太陽に対して90度の方向、つまり太陽を横に見る方角を撮るときに最も効きます。覚え方は簡単で、人差し指を太陽に向けて親指を立てると、その親指が指す先が一番効く方角です。逆に、太陽を正面にした順光や真後ろの逆光ではほとんど効果が出ません。「今日はフィルターが効かないな」と感じたら、立ち位置を90度変えてみてください。

注意点もあります。PLフィルターは光をカットする分、写真が約1〜2段分暗くなります。シャッタースピード(シャッターが開いている時間)が遅くなって手ブレしやすくなるので、暗い場所では注意が必要です。また効果を強くかけすぎると空が不自然に暗い紺色になり、CGっぽい仕上がりになりがち。効果は最大からほんの少し戻したあたりが自然です。

なおPLフィルターにはサイズがあり、レンズごとに決まった口径(52mm、58mm、67mmなど)のものを選びます。レンズの前枠かキャップの裏に「ø58」のように書かれているので、購入前に必ず確認してください。複数のレンズを持っている場合は、一番大きい口径に合わせて買い、ステップアップリングという変換リングで小さいレンズにも使い回すと経済的です。

広角レンズでうろこ雲を撮るときの3つの注意点

空いっぱいに広がるうろこ雲は、やはり広角レンズで撮りたくなります。ただし広角+PLフィルターには、知らないと失敗する落とし穴があります。

1つめは「青ムラ」。PLフィルターの効きは太陽からの角度で変わるため、一度に広い範囲を写す広角レンズだと、画面の中に「よく効いている部分」と「効いていない部分」が同時に入ってしまいます。結果、空の左右で青さが違う不自然な写真に。対策は、効果を弱めにかけること、そして焦点距離を少し長め(24mm〜35mm付近)にして写す範囲を絞ることです。超広角の16mm以下で真上に近い空を撮るときは、PLフィルターを外す判断もアリです。

2つめは「構図の間延び」。広角レンズは写る範囲が広いぶん、雲が小さく写ります。空だけを撮ると単調になりやすいので、画面の下3分の1に木、建物、電線、人などの地上の要素を入れてあげると、空の広さが引き立ちます。逆に「うろこ雲の模様そのもの」を主役にしたいなら、思いきって望遠レンズで雲の一部を切り取るのも効果的です。

3つめは「ケラレ」。広角レンズに厚みのあるフィルターを重ね付けすると、画面の四隅が黒く欠ける「ケラレ」が起きることがあります。広角で使うなら薄枠タイプ(薄型・スリムと書かれたもの)のPLフィルターを選ぶと安心です。

マーブルカメラのおすすめ商品

「空を大きく撮りたいけれど、キットレンズの18mmだと物足りない」という方には、中古の超広角ズームが手頃な入り口になります。マーブルカメラでは、中古レンズ・カメラを厳選して取り揃えています。動作確認済みの商品を中心に、初めての1本としても選びやすい価格帯をそろえていますので、気になる焦点距離があればぜひ在庫をのぞいてみてください。

秋空の撮影という観点では、11mm〜19mm前後をカバーする超広角ズームが一本あると表現の幅が大きく変わります。一方で「まずは今持っている標準ズームで、PLフィルターの効果を体感したい」という段階なら、無理に買い足す必要はありません。在庫一覧を眺めながら、次の一本をゆっくり考えてみてください。

よくある質問

Q. スマホの写真でも青空は鮮やかに撮れますか?

A. 撮れます。スマホは画面をタップして明るさを調整できるので、空の明るい部分をタップし、表示されるスライダーを少し下げてから撮ると青が締まります。ただしPLフィルターのように「散乱光そのものを減らす」ことはできないため、もやがかった日の空を根本から青くするのはカメラ+フィルターの領域です。

Q. PLフィルターは付けっぱなしでも大丈夫ですか?

A. あまりおすすめしません。常に1〜2段暗くなるため、曇りの日や室内、夕方以降はシャッタースピードが稼げずブレの原因になります。また青空の効果が必要ない場面では、付ける意味がありません。晴れた日の風景撮影用に、バッグに入れておいて必要なときだけ付けるのが正解です。

Q. 安いPLフィルターと高いPLフィルターは何が違いますか?

A. 主にガラスの透明度、反射を抑えるコーティング、枠の精度です。安価なものは色味が黄色や緑に転びやすく、逆光でゴーストが出やすい傾向があります。とはいえ最初の1枚は数千円のもので十分効果を体感できますので、まずは手頃なもので試してみて、物足りなくなったらステップアップするのがおすすめです。

Q. うろこ雲を撮るのに一番いい時間帯はいつですか?

A. 太陽が高すぎない午前9〜11時、午後2〜4時あたりが狙い目です。太陽が真上にある正午前後は、PLフィルターが効く90度の方角が地平線近くに限られてしまいます。また夕方近くになると、うろこ雲が夕日を受けてピンクやオレンジに染まる「うろこ雲の焼け」が狙えるので、時間に余裕があれば日没前後まで粘ってみてください。

まとめ

秋の高い空とうろこ雲は、一年のうちでもとくに気持ちよく撮れる被写体です。ポイントを整理すると、露出補正を少しマイナスに振ること、ホワイトバランスを晴天に固定すること、PLフィルターは太陽の90度方向で効果を確かめながら回すこと、そして広角で撮るときは青ムラとケラレに気をつけること。どれも一度覚えてしまえば、あとは空を見上げてシャッターを切るだけです。

うろこ雲は「見つけたその日が本番」の雲。天気予報で「明日は下り坂」と聞いたら、その前日の空がチャンスかもしれません。カメラを持って、いつもの散歩道から空を見上げてみてください。手持ちのレンズでは画角が足りないと感じたら、そのときが次の一本を迎えるタイミングです。

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